刑事訴訟法の規定により検察官と被告人が実質的に対等な立場に

刑事訴訟法における当事者主義には、検察官や被告人(および弁護人)に訴訟を追行する主導権を委ねる「当事者追行主義」、検察官と被告人が実質的に対等になれるようにする「当事者対等主義」のどちらか、あるいは双方を併せたものを指す場合があります。

前者は被告人であっても刑事手続きのなかで当事者として、訴訟追行に関する主体性を認めることで真実の発見にも資するという考え方です。裁判所に被告人に対する先入観を持たせないため、起訴の際でも検察官は起訴状に証拠などの書類を添付することは禁じられています。

証拠の提出などは、検察官と被告人・弁護士の双方が行います。裁判で何を審判の対象かに決めるのは、検察官ですので裁判所がこの部分にタッチすることはありませんし、自ら証拠を提出することもありません。

刑事訴訟法における当事者は、検察官と被告人の双方ですが、検察官はその職務上、法律の知識、証拠を集める能力において被告人をはるかに凌駕しているため、被告人が十分な防御活動を行うことは困難、すなわち当事者主義といいながら不公平な結果が生じてしまいます。

そこで被告人の証拠の収集能力や法律の知識の足りない部分を黙秘権や弁護士へ依頼する権利などで補うこと、検察官と実質的に対等な当事者になるように様々な規定を設けているのです。